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私立セミ高等学校

 

私の住んでいるアパートは山の麓にございます。

山の近くだからという事でもないのだろうけど
この季節、夜になると空を飛べるタイプの昆虫が大量発生してすごくキモティ悪い。
様々な種類の虫がブンブン飛んでおり、まるで昆虫の大空中戦でございます。

今日もカナブンに襲撃されました。
もうね、恐怖以外の何ものでもありません。

突然、耳元で鳴り響く羽音。

”ブーン”

「あぁん」
急な羽音に体が反応。
吐息まじりで頭をスイング。

それでも御構い無しに空中戦を仕掛けてくる虫。

接近攻撃し、反撃を受ける前に退避。
昆虫のくせして一撃離脱戦法(ヒットエンドラン戦法)とかドイツ空軍のエース、エーリヒ・ハルトマン少将か。

「観察・決定・攻撃・離脱・小休止(コーヒー・ブレーク)」という
4段階の一撃離脱戦法に徹したドイツ空軍のエース、エーリヒ・ハルトマン少将か。

「ハイネケン!シャウエッセン!」
俊敏に飛び回る敵に手刀。それも悲しく空を切る。

蛾(が)に至ってはサイズがデカすぎる。
ジャパネットたかたの社長もハイテンションで「見てくださいこのボデェェ!!」とシャウトするほどのデカさ。
夜に活動するとか生き方も裏社会すぎる。

何が苦手って、昆虫の習性が苦手です。

毎晩毎晩、何が楽しいのか通路の外灯にずっと頭突きをキメてます。

「オリャ!」「どうした!」「うるはっ!」
ガン!ガン!ガン!

「光、てめ、この!」「オラぁぁぁ!」
ガン!ガン!ガン!
チャン!ドン!ゴン!

永遠と外灯にバンザイアタックです。

たまに力尽きて「さらば現世」。

もうやだ。
見ていてノスタルジーになります。
心の中のMr.Childrenが「一番好きな色ってなんだろう」と歌い始めます。

昆虫は太陽・月の光を目印にして方角を定めています。
外灯の光があると相対的に光が差す方向が変わって方角を見失って彷徨います。

頭突きアタックの原因はそれです。

昆虫よ。
ああ昆虫よ。
そろそろ気付け。

何万年って時間あったろうに。
なんで同じ過ちを繰り返すんだよ。
「違う違う、そうじゃない。これは外灯の光。太陽・月じゃない」とか学習しろよ。

セミとか
ああセミとか

7年も8年も地中にいて
最後の1週間だけデビューして
爆速タイムリミットの中で
必死に求愛とか交尾とかやめてくれよ
どんだけ残り数%の時間に人生ギューンしてんだよ。

人生の時間割どうなってるのさ。

~私立セミ高等学校~

”♪キーン コーン カーン コーン”

1時限目 特に無し
セミ「・・・ふぅ。」

2時限目 特に無し
セミ「・・・ふぅ。」

3時限目 特に無し
セミ「・・・ふぅ。」

4時限目 特に無し
セミ「・・・ふぅ。」

給食時間 特に無し
セミ「・・・ふぅ。」

5時限目 特になし
セミ「・・・ふぅ。」

6時限目 恋愛
セミ「あ!ああああ!はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!
終わる終わる!全然時間が足りない!」

「ミン・ミーン。」

やかましいわ。

下手か。
ペース配分下手くそか。

しかも交尾できないセミが全体の37%。
4割近いセミが交尾もできず人生終了。
君たち4割は何しに生まれてきたのかと。

幼虫として3年から17年の地下生活、
昆虫類でも上位に入る寿命の長さをもって、子孫残せないどころか、交尾もできないセミ37%。

壮大にして壮絶すぎるだろう。

17年間も地中にいて、結果童貞で死ぬとか
どの方向にアグレッシブなんだよ。

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